呼吸

人工呼吸器の目的について【重要な3つの項目を覚えよう!】

ポンコツ看護師のモギ(@mogilog)です。

人工呼吸器はなぜ使用するのでしょう?

・呼吸状態が悪いから

・酸素化が悪いから

私はこの程度に考えていました。決して間違いではありませんが、さらに深く理解することで看護にも生かすことができます。

 

結論から言うと人工呼吸器は

①酸素化の改善

②換気の改善

③呼吸仕事量の軽減

この目的のために使用されます。

①の酸素化の改善については分かりますが、②③については少し疑問がありますよね。

今回はこの3つの目的について詳しく説明していきたいと思います。

そもそも目的を理解することは重要なの?

めちゃめちゃ重要です!

この目的を達成できた時が呼吸器を離脱するタイミングでもあるので、看護を行っていくうえでとても大切になります。

①酸素化の改善

これはある程度理解できていると思うので簡単に説明していきます。

酸素化の改善を評価する方法は

PaO₂(動脈血酸素分圧)

SpO₂(経皮的動脈血酸素飽和度)

この2つになります。

正常値はPaO₂は80㎜Hg以上、SpO₂は90%以上です。

人工呼吸器を用いて酸素投与行いながら酸素化の改善をはかる必要があります。

 

②換気の改善

ここから少しややこしくなっていきます。

まず換気とは簡単に言うと空気を入れ替えて、いらなくなった二酸化炭素を排出することです。

そのため換気がうまく行われないと二酸化炭素がどんどんたまっていくことが分かります。

換気障害=二酸化炭素が溜まる このように理解していただいてOKです。

※拘束性換気障害は除く

 

二酸化炭素が溜まっているかを評価する方法は

PaCO₂(動脈血二酸化炭素分圧)

これになります。

PaCO₂の正常値は40㎜Hg以下です。

人工呼吸器を用いて換気を促すことで二酸化炭素の排出を促し換気の改善をはかる必要があります。

SPO₂やPaO₂では評価しないの?

二酸化炭素が溜まっている状態ではSPO₂やPaO₂では評価はしません。

ここがポイントになるので覚えておきましょう!

重要な考え方として

ここまで理解すると少し気づいた方もいると思いますが

酸素化と換気障害は全くの別物である。この考えになります。

そしていざ人工呼吸器を装着している患者さんを看護する場面でも

酸素化が悪いから呼吸器をつけている

換気障害があるから呼吸器をつけている

というように判断することができます。

 

③呼吸仕事量の軽減

呼吸仕事量???

クエスチョンマークで頭がいっぱいになりますよね。

呼吸仕事量とは人が呼吸をするために必要な力です。

呼吸仕事量過多とは

①気道抵抗の上昇

②肺コンプライアンスの低下

③呼吸回数の増加

この状態のことです。

 

例をあげると

SPO₂の値も悪くなく血ガスの数値も異常が無い、けれどもなぜか苦しそう。

この状態が呼吸仕事量が過多になっている状態であり上記で挙げたどれかに該当しています。

①気道抵抗の上昇

呼吸をする際に気道の抵抗が上がると、通常よりもさらに力を入れて呼吸をする必要があります。

そのため気道抵抗が上昇すると呼吸仕事量は増大します。

気道抵抗が上がる病態は閉塞性換気障害であり、代表的な疾患はCOPDです。

②肺コンプライアンス低下

コンプライアンスとは肺の膨らみやすさのことで、低下しているということは肺が膨らみにくく硬くなっている状態です。

膨らみにくいということはその分余計に力が必要になります。

そのため肺コンプライアンスが低下すると呼吸仕事量は増大します。

肺コンプライアンスが低下する病態は拘束性換気障害であり、代表的な疾患は間質性肺炎です。

③呼吸回数の増加

1分間のうちに20回呼吸

1分間のうちに40回呼吸

これを考えた時呼吸仕事量はどちらが増大しているでしょうか。

もちろん1分間で40回の呼吸のほうです。

2倍の呼吸回数のため、2倍の呼吸仕事量の増大とも言えます。

 

呼吸器を使用して換気や呼吸回数を調整することで呼吸仕事量を軽減することが大切になってきます。