外科看護

術後の尿について 術後の水分はどこに逃げる?

あ、どうもこんにちは。ポンコツ看護師のモギです。今回は術後の尿量についてポンコツなりに説明したいと思います。尿は全身状態を観察するうえではとても大切なものなので、しっかりと覚えていきましょう。

ユタ君
ユタ君
あれー?手術後の患者さんの尿が全然でない。どうして?先生に報告しなくちゃ
青木先輩
青木先輩
報告する前に、なんで尿量が減っているか考えてみて
ユタ君
ユタ君
えーと。手術した時に出血をして、循環血液量が減ったからですか?
青木先輩
青木先輩
まあ、それも間違えではないけど、もっと大切なことがあるんだよ。
ユタ君
ユタ君
すみません。調べてきます。

術後はなぜ尿量が減少する?

毎度おなじみムーアの分類では、術後~4日までは尿量が減少すると言われています。

尿量減少の原因としては

サードスペース

ホルモンの分泌

腎血流量の低下

神経損傷

この4つを理解していれば大丈夫です。

サードスペースに移行する?

体液は細胞内液と細胞外液に分類され、さらに細胞外液は血管内の血漿と血管外の間質液に分類されます。

手術の侵襲により血管の透過性が亢進することによって、血漿が血管内から血管外に漏れ出てしまいサードスペースに移行します。

腹腔鏡の手術よりも、開腹の手術などの侵襲が大きいほどサードスペースに貯留する水分量が増加します。

そのため体内の水分の減少により循環血液量も減少し、結果として尿量が減少します。

サードスペースとは体内のうち、細胞内でも血管内でもない場所である。手術による侵襲によって血管壁に隙間ができてしまい、普段は血管内に留まっているはずの体液がそこに漏れ出てしまう。この隙間のことをサードスペースという。

簡単に説明すると、手術したらなんか隙間ができちゃって、その隙間に体液が流れ込んだから、血管内の体液が減っちゃいました。

その結果おしっこの量も減っちゃいました、ということです。

ホルモンによる体液量の変化

手術の侵襲により分泌が亢進する内分泌がいくつかあり、その中に抗利尿ホルモン(ADH)やアルドステロンがあります。

これにより水の再吸収促進やNaの蓄積とKの排泄を増加させ、尿量が減少します。

腎臓への血液量の不足

循環血液量の減少により、腎臓に流れる血液量が減少すると腎臓の機能も低下します。

腎機能低下により排泄される尿量も減少します。

術中の神経損傷

直腸がんや前立腺がんや子宮がんなどの手術の際に、下腹神経、骨盤神経、尿道括約筋の損傷により排尿障害を呈することがあります。

どのくらいの尿量が必要?

まずは1時間ごとの尿量の変動を注意して観察することが重要です。

重要臓器への血流維持には、1時間で体重kgあたり0.5~1.0mLの尿量を維持することが必要であると言われています。

例えば体重約60kgのポンコツ看護師のモギは、1時間に30mL~60mLの尿量が必要と考えられます。

実際に尿量が減少していたらどうする?

補液が確実に投与されているのか点滴刺入部の確認

創部やドレーンからの出血量

血圧の低下や心拍数の増加などのバイタルの変動

下腹部膨満

上記のことを観察し、Drに報告する。

血圧低下の場合には昇圧剤を使用することもあるので頭に入れておく必要があります。

術後3日目から尿が増加する?

ムーアの分類では3日~5日は利尿期であり、尿量が増加するといわれてます。

術後の炎症が収まりサードスペース内に移動していた体液が、血管内にもどることで循環血液量が増加し、尿量が増加する為です。

サードスペースから血管内に戻ることをリフィリングと言います。

しかしながら尿量が増えることで起きるリスクもあります。

もともと心機能の低下や、腎機能の低下があり、尿を十分に出せない人には注意が必要です。

リフィリングによる循環血液量の増加により心臓や腎臓への負担が増加し、心不全の悪化や肺水腫を引き起こす可能性もあります。

そうした場合には利尿薬なども投与することがあります。

まとめ

術後は観察することが多いですが、尿も重要な観察項目の一つです。

尿の異常に築くことで、患者さんの状態悪化を早期に発見できることにもつながります。

また正常や異常の判断も今回の学びで理解することができたので、明日からの看護に生かしていきたいと思います。

 

 

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