外科看護

術前の飲水について 手術前はいつまで水分を飲める?

 

あ、どうもこんにはポンコツ看護師のモギです。今回は術前の飲水についてポンコツなりに書いていきたいと思います。

 

青木先輩
青木先輩
ユタ君は、手術前のどのくらい前まで水分をとっていいか知ってるかい?

ユタ君
ユタ君
飲水ですか?まあ、直前でなければ平気ですかね。

青木先輩
青木先輩
じゃあその根拠は分かるかい?

ユタ君
ユタ君
こ、こんきょ・・・。すみません。調べてきます。

手術前に飲水制限する理由

それは麻酔導入時に胃内容物の嘔吐による誤嚥を防ぐ為です。

誤嚥によりARDSなどの重篤な肺合併症を引き起こすことで、手術を行うどころか、命にまで影響を及ぼすことも考えられます。

そのため手術前は絶飲食が必要となります。

ARDSとは、急性呼吸窮迫症候群の略で呼吸不全の一種であります。肺に液体が貯留し、血液中の酸素レベルが異常に低下する様々な病気が原因で発生する。

手術の何時間前まで飲水は可能?

日本麻酔科学会では乳児から成人までの手術患者において、清澄水(せいちょうすい)の摂取は麻酔開始2~3時間前までは安全であると示しています。

一般的に飲んだ水分が胃に入って、小腸まで流れる時間が30分程度と言われています。

胃の中が空っぽになることを考えても、手術前2時間であれば大丈夫ということが分かりますね。

清澄水とは、水、茶、アップル、あるいはオレンジジュース(果肉を含まない果物ジュース)、コーヒー(ミルクを含まない)などが該当します。

 

ユタ君
ユタ君
でもその間なにも飲めないんですよね。喉がカラカラになっちゃいそうです。

青木先輩
青木先輩
そうだよね。いくら手術前は水分を飲んじゃダメって言われたって、そのままじゃ干からびちゃうよね。

ユタ君
ユタ君
ぼくは汗っかきだから、耐えられないです。

青木先輩
青木先輩
そっかそっか。でも大丈夫だよ。脱水にならないように、その間は点滴を行うんだよ。

長時間の絶飲食による手術の影響

手術前の飲水制限によるリスクとして、脱水がある。

それにより腎不全や心筋虚血、脳血管障害などが引き起こされる可能性があります。

麻酔導入時は血管が拡張し血圧が低下しますが、術前から脱水状態であれば循環血液量の減少により、さらに血圧が低下してしまいます。

そのため最近では脱水予防のため、術前飲水時間の短縮が推奨されています。

術前の過剰な輸液投与は逆に危険?

従来の術中輸液管理では、不感蒸泄や出血量、サードスペースを考慮して輸液を行うために、過剰輸液となる傾向にありました。

ですが過剰輸液により全身臓器の浮腫をきたしてしまうリスクがあります。

またそれにより臓器障害が起こってしまいます。

特に消化管では、腸管浮腫によるイレウスなども生じ、術後の腸管機能回復が遅延する可能性もあります。

サードスペースとは体内のうち、細胞内でも血管内でもない場所である。手術による侵襲により血管壁に隙間ができてしまい、普段は血管内に留まっているはずの体液が、そこに漏れ出てしまう。この隙間のことをサードスペースという。

まとめ

私は今まで「手術当日は10時までなら、水分を飲んで大丈夫ですよ。」というように説明していました。

もしかしたらどうして10時までしか飲めないんだろう?などと疑問に持たれていることもあったかもしれません。

患者さんにとっては手術当日は不安な気持ちでいっぱいであり、緊張に包まれている瞬間だと思います。

その中で、少しでも患者さんが納得できるように一つ一つ説明していくことは、立派な看護の一つだと私は思いました。

 

 

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